前回のソラオトカフェから引き続き、著書「人工知能の哲学」が高い評価を受け、現在あちこちで講演活動を行っていらっしゃる松田雄馬氏にゲストとしてお越し頂きました。
今回は、人工知能と言えども、実態はなんなのかというシンプルな疑問に応えようということで、ソラオトカフェの原点?である「テクノロジーカフェ」に立ち戻り、その基本となるニューラルネットワークについてお話を頂き、実際にプログラミングを目の前で行おうではないか、ということで世界初のニューラルネットカフェ?を開催しました!
前回参加されていない方もいらっしゃるということで、復習を兼ねて「人工知能とは何か」を皮切りにお話が進んでいきました。最初に提示された「博士の帽子は何色?」問題。ファシリテータ役の奥野が一番頭がぽか〜ん。どうも参加者のみなさんは理解できたような雰囲気でしたが、途中で考えるのを止めてしまった感があり、グダグダになってしまいました…(汗)ここでは論理は大切だということを伝えたかったと思うのですが、、、伝わったでしょうか。少しの心残りは否めませんでした。
そして、論理計算を行うコンピュータの発明 → 3度に渡る人工知能ブーム → 精神を宿す「強いAI」と人の能力の一部を代替する「弱いAI」へ。ひとつの結論として、前回も話に出た「完全無欠の人工知能は論理的に実現不可能」に着地しました。
では人工知能とは一体なんなのか・・・。
ということで、脳研究から発展したニューラルネットワークのお話。生物は電気信号により神経伝達を行っていることを示したカエルの実験を皮切りに、イカの神経回路を電気回路に置き換え、更にそれをニューラルネットワーク(ホジキン・ハクスレー)へと置き換え、コンピュータ上への計算へ発展した経緯が説明されました。
現在の人工知能ブームは第三次だそうですが、そのキッカケとなった深層学習(ディープラーニング)のお話へ。ニューラルネットワークの性能は改善されたそうですが、ある意味、過去の延長線上にその方法論はあるのかなぁと感じました。そこで、話を整理するために、ニューラルネットワーク関する研究の3つの潮流を簡単に説明してくれました。
1. 脳の動作原理に関する研究
2. 統計的機械学習の研究
3. 競合の働きに関する研究
1は脳で行われている情報処理をコンピュータで再現しようとする研究、2はこれまでに研究開発されたニューラルネットワークという手法を様々な事柄に応用しようとする研究(弱いAI?)、3が松田さんが主に取り組んできた研究で、全体性と呼んで良いのでしょうか、、、何羽もの鳥が空を自由に飛んでいるようである規則性を持って飛んでいる映像や、プログラムで作成された初期値が全く別なのに、徐々に同期してくるプログラムを通して、その一端を示してくれました。
さて、この時点で時間切れの様相を呈していましたが、今回このために準備してくださったPythonというプログラミング言語を使い、tensorflowを実演してくれました。その実演では、手描きの数字がなんと書かれているのか、目の前の一般的なノートパソコンで処理し、コンピュータに認識させてくれました。人間ならわけもないことも、コンピュータにやらせると理解不能な認識結果になったりして、なんとなく現状コンピュータで処理できる限界が見えて、感覚的にも理解できたような気がします。そして、その人間とコンピュータの能力のギャップこそが実は重要で、人間が理解できる物事の「意味」に話が繋がっているんだなぁと思いました。
様々な活動でお忙しい中、2回連続でゲストを受けてくださった松田さん、ありがとうございました。著書が重版とのこと、おめでとうございます!次の本が出たら(出るのかな?)、また是非来てくださいね!参加者の皆さんにもいつもながら感謝です!またパソコンを用意してくださった方、プログラミングがほぼ出来ずじまいですみませんでした!また面白い企画をしていきますので、今後もどうぞよろしくお願いします!!