Pure Data入門講座 vol.7 〜エフェクターを作ろう2〜

By terada, 2016年2月24日


今回はオートワウというエフェクターをつくろうと思います。

オートワウとはどんなエフェクターなんでしょうか?もともとワウペダルというペダルを操作して音を変化させるエフェクターがあります。このペダル操作を自動で行うエフェクターがオートワウです。ギターの音の一部分の周波数を変化させる効果があります。

オートワウの原理は?

では一体どうやってギターの音の周波数を変化させるのでしょうか?それにはフィルターという装置が必要になります。フィルターとは読んで字のごとく、あるものの中から特定のものを濾し取るような装置です。音響の世界でフィルターと言えば、元ある信号の中から、ある特定の周波数成分だけを抽出・遮断するものがフィルターです。このフィルターのイメージを図で表わすとこのようになります。

aaa

録音した音声Aをフィルターに通すことで音声Bという周波数が制限させた信号が得られます。この例では中心周波数2,000 Hz, 帯域幅1,000 Hz (1,500〜2,500 Hz)を通過させるフィルターの図です。元の音声に比べてフィルターを通過した音は周波数が変化していることがわかると思います。

オートワウではもちろんギターの音をこのようなフィルターに通します。しかし、ただフィルターを通過させるだけではなく、フィルターの中心周波数を自動的に変化させて、周波数の変化をつけるエフェクターなのです。

オートワウを作ってみよう!

ではさっそくPdでオートワウを作ってみましょう。なるべくシンプルにオートワウを作った例が下の図です。

pdaaa

図中の左上はいつも通り音の入口“adc~”で、左下が音の出口“dac~”となります。ということはその途中にある“vcf~”というボックスが今回重要なパーツであるフィルタを表します。このボックスには入力が3つあり左上の入り口がフィルタをかける信号、真ん中の入り口がフィルタの中心周波数、そして右側の入口がフィルタの帯域幅を表すQ値という値になります。

このオートワウの特徴はフィルタの中心周波数の値を正弦波で変化させているところです。図中の“osc~”で正弦波を発生させてフィルタの中心周波数へ入力することで、frequencyという名前のついたスライダーを動かすと、ワウのかかる周期がかわるという仕組みです。ぜひこのサンプルプログラムを書いてみて自分で音を確かめてください!

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