2015年2月6日 第12回ソラオト サイエンスカフェ レポート
今年最初のソラオトサイエンスカフェは、お薬のお話、特にジェネリック医薬品について、サイエンスコミュニケーションの分野でも熱心に活動されている薬剤師の横山さんにゲストとしておいで頂きました。カフェの始めでソラオトスタッフから横山さんのプロフィールを紹介したときにも言いましたが、とても不思議な方です!生物物理学を学生時代から研究されている傍ら薬剤師としてお仕事をされ、更にその一方で東京国際科学フェスティバルやサイエンスアゴラの委員を努められた経験を持つ、稀有な方なのです。
そんな横山さんに昨年お会いしたときに、ジェネリック医薬品について「ものの値段には理由がある」とお聞きしました!
ドラッグストアでお薬を買う程度では気づかないかもしれませんが、医者にかかって、処方箋をもらって、薬局に行ったことがある方は誰でも経験がある「ジェネリック」押しの怪。そのお話をじっくりと伺う時間を作りたいと思い、今回のカフェ開催となりました。
まず前半では、ジェネリックとは何か?という基本的なところを解説して頂きました。そしてとても煩わしい医薬品の名前について。2005年から処方される医薬品の名前は「成分名」+「用量」+「メーカー名」となり、非常に覚えにくくなったそうです。お年寄りだと、カタカナの成分名とメーカー名を混同して、間違って使ってしまいそうということも話題になりました。
また、参加者の皆さんも不思議に思っていたジェネリックの値段。本当に同じ品質のものが安いのか?よく言われているように、先発医薬品の特許が切れたため、ジェネリックでは開発費用がかからないこと、これが1番の理由として「ジェネリックは安くなる」というお話をして頂きました。実際には半額くらいになるものもありますが、ほとんど値段が変わらないものもあるということを知ることができました。一例として、PL顆粒という風邪薬があまり値段が変わらないお薬だったりするそうです!
ここまでで前半終了。一息いれた後、ここからは普通のカフェでは話題としては出さない(できない?)話ということで、いよいよディープな謎の部分へ。(ソラオトのカフェは普通のカフェじゃないってこと・・・?(笑)、、、それはさておき)
医薬品開発のハイリスク・ハイリターンとジェネリック医薬品との関係について、まず医薬品の開発期間の長さ(10〜15年!)に驚き、ジェネリックの発売 → 先行医薬品の売上減少 → 製薬会社の存続危機 → 新薬開発力の低下・困難へ・・・、という負のスパイラル!のお話。
それと、ジェネリック医薬品は本当に効くのか?また経済的にもアリなのか?と気になる話題が続きます。そして、患者側はどうすればよいのか?
結論としては、最終的に判断するのは患者側。薬剤師さんは強制的にお薬を売ることはできません。なので患者側として気になったことについては、薬局で薬剤師さんにいろいろと尋ねてしまうのが1番。そして自ら理解を深めて、自分が日頃飲む薬については人任せにしないこと、そして納得すること。当然と言えば当然ですが、これが大切なのですね。こういったことを改めて感じたカフェとなりました。
ご多忙のところ(不眠不休で資料を準備頂きました!)、ゲストを気さくに引き受けてくださった横山さんには大感謝です!とても分かりやすかったと大好評でした!また、様々なハテナや実体験をお話しくださった参加者の皆さん、ありがとうございました。是非、参加してくださった皆さんは、ジェネリックについて見聞きしたことを身近な方々にお伝えください!